こんにちは、ちさとぱぱです。
このブログでは私の経験を基に住宅設計についてのいろはを記事にしています。

間取りを考えるのが苦手。。。
かっこいい設計が出来なくて悩んでる。。。

新居のプランを書いてもらったけどなんだかイマイチ。。。
営業さんに書いてもらってるけどこの間取りがベストなのかわからない。。。
こんな悩みを持たれている住宅営業・設計、そして建築主さんはたくさんいらっしゃると思います。
私自身、新卒のころは常にこう思っていました。
「書いたプランが全然かっこよくない。。。。。。」と。
そんな思いをされている方の為に今回は住宅の間取り作成・プランニングのコツをまとめました。
最後まで読めば最高の間取り・プランニングをするための方法をご理解いただけると思います!
プランニングとは

プランニングは住宅設計におけるスタートです。
一般的には間取り作成の方がなじみやすいかもしれません。
お施主様からご要望を伺い、建築予定地に落とし込んでいき、
この間取りを基に建築費用を算出し、総額の資金計画を作っていきます。
お客様に自社での住宅建築に係る概算費用をお伝えするためになくてはならない作業です。
たまにプランを書かずに受注を取る営業もいますが、私からするとお施主様もかなりの物好きだな。
と思っています。。。
プランニングの為の2つの準備
このプランニングを始める前の準備として3つの工程があります。
Ⅰお施主様からのヒアリング
Ⅱ敷地調査
下記ではこの2つの準備について詳しくお話します。
Ⅰお施主様からのヒアリング

お施主様のお家に対しての想いやどんな生活をしたいかという将来像などをお伺いします。
プランヒアリングの間違い
実際にヒアリングをする際に、ハウスメーカーの営業だと

LDKは何帖欲しいですか?
和室は何帖欲しいですか?
子供部屋は何部屋でそれぞれ何帖欲しいですか?
お家のイメージは洋風ですか和風ですか?
と、このように事細かに家の間取りを伺う事をヒアリングとしている人が多いです。
このヒアリングでいいなら、その要望を基にパズルを組み立てるだけになってしまいます。
これはプランヒアリングとしてはお世辞にも優秀とは言えません。
プランヒアリングのコツ
ではどのようにヒアリングをすればよいのでしょうか?
私が実際にヒアリングする際は下記のような流れでお話します。
①住まわれる方の家族構成
人数や年齢だけでなく、出身地や職場・学校などもお伺いします。
新居からの通勤通学時間をイメージし、朝の導線計画の参考になります。
②家族全員の1日の生活ルーティーン
朝起きる時間から家を出る時間、帰ってくる時間、晩御飯の時間、就寝時間をお伺いし、
合間の時間で主にされていることが家事なのか、TVを見るのか、
スマホでネットフリックスを見ているのか等、
家族それぞれの代表的な1日の生活スタイルを事細かにお伺いします。
新居の中でどの空間に重きを置くべきか、
また新居において新しく必要となりそうな空間のご提案に活かせます。
③家族それぞれの趣味
植物を育てたり、キャンプをしたり、スノボをしたり、釣りをしたり。
それぞれの趣味から必要な収納量や空間をイメージします。
④日常生活の中でのこだわり
朝は必ずコーヒーを飲む。休みの日は必ず家族で過ごす。ドラマは全てチェックしている。
毎日必ず掃除機をかける。等、生活するうえで大事だと考えていることをお伺いします。
これも新居の中で重要となる空間と新しく必要となりそうな空間のご提案に活かせます。
⑤今のお住まいでの不満
多くの方が「寒い」「狭い」「収納が少ない」等の不満を上げられますが、
特に「収納が少ない」の場合は何の収納が足りていないのかを伺うようにします。
この不満を解消する事が家づくりの大きな目的の一つでもありますので、
「こうだろう。」と決めつけることなく、丁寧にヒアリングすることが大切です。
⑥新しい家でやりたいこと
ウッドデッキでぼ~っとしたい。
観葉植物を育てたい。などの新居での夢を伺います。
⑦新しい家に欲しい機能
自分だけの部屋が欲しい。
乾太くんを置きたい
仕事をできるちょっとした空間が欲しい。
家事楽な導線を確保したい。など前述の「やりたいこと」
とは切り口を変えることで別のご要望を引き出せます。
「やりたいこと」と「欲しい機能」を満たすことのできる空間提案が出来ると
お施主様の満足度も高まります。
⑧最低限必要な部屋数
聞き漏らしが無いかの確認の意味も込めて、おおまかな部屋数を確認します。
以上の8つの項目についてお話を伺います。
私はこのヒアリングに短くても2時間程度お時間を頂いております。
ただ、聞くのではなくお施主様の言葉一つ一つを深堀することで、
お施主様が言葉にできなかったご要望を拾い上げることが出来るからです。
そして、この2時間の中でお施主様と一緒に
新居を思い浮かべながらたくさん妄想してください。
「妄想」=「想像」=「創造」です。
たくさん妄想すればより良いお家を創造できます!
Ⅱプランニングの前の2つの準備

ヒアリングが完了したらいよいよプランを書きます。
土地資料を不動産屋さんから入手して、さぁ書こう!

待ってください!!!
その土地自分で見に行きましたか?
自分で調べましたか?
自分で見て、自分で調べることによって新たな発見があります。
その発見をするための調べ方をご紹介します。
現地調査
プランを書く前にはぜっっっっったいに敷地調査をして下さい!
営業の中には土地も見ずにプランを書く人も大勢います。
そのほとんどが、土地の良さを活かせていません。
では実際に現地調査では何を見ればいいのでしょうか?
ここでは境界鋲の有無や電柱の位置などには触れません。
あくまでより良いプランニングの為に必要な事項のみお話します。
①前面道路から敷地を眺める
②敷地の真ん中からぐるぐる回りながら360°を眺める
③敷地の角から対角の角までまっすぐに歩きながら周り眺める
④周りに建っている建物を眺める
以上の4つを1時間かけてゆっくり行います!

眺めてるだけじゃないか!
そうです。この眺めるという行為がよいプランニングのコツなのです。
ただ眺めるわけではなく、その土地のメリット・デメリットを探しながら眺めるというのが重要です。
敷地の裏手に桜が咲いていたり、道路向かいの建物の間から海が見えたり。
GoogleMapでは見えてこなかった利点が見つかるかもしれません。
役所調査
続いて役所調査です。
これは下記の記事に役所調査の方法が載っていますので読んでみてください。
この役所調査の際に気を付けたいのが、メリットを探すのではなくデメリットを探すという事です。
地域によっては地区計画によって壁面後退があったり、建蔽率の制限があったりと
プランニングするうえで避けては通れない法律の壁が立ちはだかっています。
これを見落とさない為にも不動産資料を鵜吞みにせず、ご自身で調べることが大切です。
実際にプランニングしてみよう

プランニングの工程は大きく分けて4つです。
①エスキス
②外観の検討
③各部屋の落とし込み
④細部の検討
以上の4つを順序良く行えば、その敷地にとってのより良いプランニングが出来る様になります。
①エスキス
エスキスとは下の写真の様に各要素を大まかなサイズで敷地に落としていく作業です。

ここでは細かく書き込まないことが重要です。
細かく書き始めてしまうと思考が凝り固まってしまい、パズル作業になってしまいます。
ちなみに私がエスキスの際に使用しているアプリは「concepts」というアプリです。
スケッチアプリですが、鉛筆モードで書いた上から水彩モードで着色をしたりと
エスキスにこれほど使いやすいアプリはなかったです。
一番のおすすめポイントはレイヤー分けが出来ること!
そしてレイヤーごとに色を薄くしたりできるので、1Fと2Fの壁の直下率の検討なども行えます。
エスキスの際に要素を落としていく順番は人それぞれですが、私は最初にヒアリングで伺った
「日常生活の中でのこだわり」の主役となる要素を落とします。
下記は実際に私が設計した住宅の一例ですが、
こだわりは「朝のコーヒー」でした。

その他の内容も伺い、ご夫婦の生活の中心がダイニングになるという事がわかりましたので、
ダイニングの位置を最初に検討しました。
そしてこの土地からは前面道路を挟んで海が見えることが現地調査でわかりましたので、
海が見える方角へダイニングテーブルの角度を曲げることとしました。
続いてこのダイニングを中心として、リビングの位置や水廻りの位置、
家事導線などを考えながらエスキスを進めていきます。
②外観の検討
エスキスが完了すれば次は外観を考えていきます。
この段階ではパースソフトを使っても良いですし、手書きの立面図やアイソメでもいいともいます。
外観を先に考えてから中の要素を外観の枠の中で納まるように検討することで、
中途半端にかっこつけた外観になるのを防げます。
③各部屋の落とし込み
外観が決まれば各部屋の広さを踏まえながらプランニングを進めます。
この際、どうしても納まらない場合は外観について再検討し、再度各部屋の落とし込みを行います。
この作業を繰り返し、納得いく間取りになれば最後の工程です。
④細部の検討
最後の工程では窓やドア、カウンターの位置、枕棚の位置など、より細かな部材を当てはめていき、
使い勝手に問題が無いか、使用するのに十分な寸法を確保できているか。
実際に自分がこの家に住むと思いながら各部の詳細の検討を行います。
ここで重要となるのが寸法感覚ですが、寸法感覚を磨く方法は1つしかありません。
それは
「常にメジャー(コンベックス)を持ち歩き、全ての寸法を測る」
です。これを習慣化できれば自然と正しい寸法感覚が身につきます。
余談を挟みましたが、これでプランニングは完了です。
あとはお施主様へのプレゼンテーションの準備ですが、それはまた別の記事で書こうと思います。
プラン完成
4つの工程を経て完成したプランがこちらです。


エスキスで最初に検討したダイニングテーブルには
朝日が差し込み、ウッドデッキを通して海が見えます。
また、LDKを斜めに配置したことで水廻りに余剰空間が生まれ、
洗濯物を干した状態でもお風呂への導線の邪魔にならない様になっています。
そして玄関からSCL、パントリー、キッチンの導線を考慮したことで、
買ってきた食材や備蓄品の収納作業もやりやすくなっています。
ただ、一点SCLとパントリーの入口は少し狭いので検討が必要です。
まとめ

以上が住宅プランニング(間取り設計)の進め方でした。
・ヒアリングで部屋の広さなどの細かい条件は聞かない。
・ヒアリングではお施主様と一緒に新居の生活を妄想する。
・土地は必ず自分で見に行く。
・プランニングはエスキスから。
・プランニングは外観を決めてから詳細の検討をする。
プランニングのコツはこの5つです。
この5つを頭に入れてプランニングを続ければ必ず良い住宅を作ることが出来ます。
これは私自身が実際に行っているやり方ですので、
どうすればいいかわからない。
この場合はどうするの?
などわからないことがあればインスタグラムのDMや
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最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

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