こんにちは、ちさとぱぱです。
このブログでは私の経験を基に住宅設計についてのいろはを記事にしています。
今日はわたし、ちさとぱぱが独立して設計事務所を立ち上げるまでの軌跡を大公開します!

将来独立したい!
自分の設計事務所を立ち上げたい!
そう考えている方、皆さんに読んでいただきたいです。
設計事務所の独立

設計事務所を立ち上げ独立したい。
これは全国の建築を学ぶ学生の多くが目標としていることだと思います。
では「設計事務所を自分で立上げ、仕事をする。」
その為に何をすればいいのか、
そしてどんな考えを持ってキャリアを積んでいけばいいのか。
ここでは私の経験談を基にお話をしていこうと思います。
独立する前の葛藤
僕自身もそうだったのですが、世の中の建築学生の多くが
「将来独立したい!」と考えていると思います。
ただ、実際に現場で働いているうちにその思いはだんだんと薄れてきて、
このまま安定した給料で安定した仕事を続けていく方が安全なんだろうな。
と考えるようになり、、そのうちに結婚して子供が出来て、、
「安定」から抜け出すのが怖くなってしまうと思います。
僕自身も一時期そんな「安定」から抜け出すのが怖い時期がありました。
独立する前
設計事務所として独立する前は大手設計事務所で修行して、
自分がメインとなるプロジェクトをいくつかこなしてから独立する。
そういう方がほとんどだと思います。
ですが、私はそういうルートを辿っていません。

いやいや設計事務所以外から独立するなんか聞いたことないよ!!
そう思われている方がほとんどだと思います。
私自身は新卒でハウスメーカーに営業として就職しました。
その後キャリアをスタートさせ、小さな設計事務所で設計数か月、
地場工務店で数年、ハウスメーカーで数年、そして独立。
と、独立までのキャリアとしては割と少数派です。
ではどういうキャリアを積んできたのかをお話します。
学生時代

学生時代、私は建築計画系の研究室に所属しており、
主に住居計画やインテリアについて学んでいました。
ですので、学生コンペなどには一度も出場したことがありません。
唯一あるのは卒業設計コンペ。
しかもこれも入選ラインからギリギリ漏れる。という結果でした。
これは当たり前ですね。意匠設計については完全に独学でしたので、
プレゼン資料なども見様見真似で作ってましたので。(笑
そんなわけで私は大手設計事務所に就職できる経歴がありませんでした。
だから、恩師からは
「設計事務所で修行しても独立できる程の経験を得られるとは限らない。」
と教わりました。
独立の為に大事なこと
恩師から教わったことは
「設計事務所で修行しても独立できる程の経験を得られるとは限らない。」
だけではありません。
「独立するのに一番必要なものは営業マンとしての経験」
とも教わりました。
営業マンとしての経験は
・コミュニケーション力
・基本設計力
・折衝力(打合せ)
・お金の知識
・土地の知識
これらの「住宅設計」をするうえで最も重要となる基本的な「スキル」
この「スキル」を効率的に身に付けることができます。
就職活動
営業マンとして上記の5つの経験を得る為には、
設計よりも営業が主体となって家づくりをする会社に就職する必要がありました。
ですので、就職活動では
・営業の仕事範囲
・設計の残業時間
この2つを聞き、営業が仕様決めまで出来て、
設計の残業時間が短い会社に狙いを定めて就職活動しました。
新卒時代

営業1年目で学生時代から勉強を続けていた2級建築士の資格を取得し、
営業成績も新卒の中で1番に受注するなどそこそこの実績を上げました。
営業のノウハウ
営業として仕事をする上で私は「コミュ力おばけ」と「プランおばけ」
この「2大おばけ」にくっついて仕事を学びました。
私はこの「2大おばけ」が同じ営業所内に合計3人もいたので、大変恵まれていたと思います。
前述したとおり営業マンとして
・コミュニケーション力
・基本設計力
・折衝力(打合せ)
・お金の知識
・土地の知識
この「5つのスキル」を学ぶ為に、「コミュ力おばけ」の打合せに同席しまくり、
「プランおばけ」に何度も何度もプランをチェックしてもらいました。
お金や土地の知識は営業マンレベルの事は何件か受注すれば嫌でも身につきますのでご安心ください。(笑
この「5つのスキル」は着実に身につき、
3年目の終わりに1級建築士の学科合格を機に退社しました。
設計事務所時代

当時通っていた総合資格学院の担当さんの紹介で小さな設計事務所に就職しました。
転職するうえで大事なことですが、一級建築士は取得してから転職しましょう。
20代の内は「一級建築士」というだけでだいたい雇ってもらえます。(笑
設計事務所の仕事
設計事務所では代表がメインの営業で仕事を取ってきていました。
その基本設計、詳細設計についても代表がお施主様と打合せをして、
色決め等のみ私が打合せをしていました。
正直「設計事務所ってこうやって仕事をもらってくるんだ。」
「こういう風に打合せするんだ。」程度しか学ぶことは出来ず、
しかも小さな事務所だったので案件数も少なく。
実施設計をしっかりと学べる環境ではありませんでした。
設計事務所もピンキリだと学びました。
工務店時代

工務店といっても何を得意とする会社かによって学べることは大きく異なります。
大きな違いは下請け工務店か、元請け工務店かの違いです。
私が就職した工務店は地場ゼネコンの中の住宅事業部で、元請け工務店でした。
元請けなので、当然自社設計。その設計も特徴的で造作家具なども多く取り入れる設計でした。
実務経験
この工務店では実施設計の基本から応用まで様々なことを学ぶことが出来ました。
基本的な納まりから造作家具をより美しく魅せる為の設計手法、現場での納め方など、
実務において必要となる設計の知識のほとんどはこの工務店で学んだと思います。
この工務店に入社したころから独立をリアルなものとして考えるようになり、
より貪欲に知識を蓄えるようになりました。
造作家具の本を何冊も買って丁番の種類や有効な使い方を学んだり、
省エネ住宅の作り方についての本も何冊も読み漁りました。
元々新しい知識を身に着けることを楽しいと思える性格だったことと、
当時の上司が法律についてあまり詳しくなかったおかげで、
「自分が法律について詳しくならなければ。」という謎の義務感があり
法知識もこの頃にかなり蓄えることが出来ました。
ハウスメーカー時代

なぜこのタイミングでハウスメーカーなのか。
意図したわけではありません。
勤めていた工務店が倒産したからです。。。
誘って頂いた会社も複数あったのですが、当時長女も生まれたばかりで年収を落とすわけにもいかず。。。
スカウト会社(ビズリーチ)を通してハウスメーカーに入社しました。
「独立」が現実的になってくる
本来は工務店から独立するつもりでした。
ただ、結果論ですが、このハウスメーカーに入社して良かったです。
世の中にはハウスメーカーなどの下請け仕事をする設計事務所がある。
これを知れたからです。
このハウスメーカーに下請けで入っている設計事務所の多くが起業して数年という事務所で、自社案件の数も少ない事務所ばかりでした。
「独立して間もない間はこういう仕事もしながら実績を増やしていくのか。」
それに気付いてから「独立したい。」という思いがより一層強まりました。
独立後の為のツテを作る
では独立を現実的なものとして考え始めてから、何をしたのか。
・ハウスメーカー内で自分の出来る仕事を増やしていく
・過去つながりのある不動産屋さんに独立の相談
大きく分けるとこの2つです。
私自身、人よりもキャパシティーが大きいので1つめの
「ハウスメーカー内で自分の出来る仕事を増やしていく」
これを徐々に自分しかやっていない仕事にしていくことが出来ました。
これにより独立しても私に回してもらいやすい状況を作れました。
ツテを作り始めて2年経った頃、「そろそろ独立したいな。」と考えていたある日。
地場工務店時代の元同僚(現不動産屋さん)から
「5区画造成して建売やるんだけど。設計してよ。」と連絡があり、
それと重なって別の元同僚(現不動産屋さん)から注文住宅の設計依頼も来ました。
「今だ!!」と思いこの話が来た3か月後にハウスメーカーを退職しました。
独立

ハウスメーカーにいる間に事務所登録なしでも出来る範囲で設計をスタートし、
ハウスメーカーからの仕事も来るように方々根回しをしました。
そして遂に設計事務所登録が完了し仕事スタート!
しかし
1か月経って注文住宅は競合負け、今ある仕事は建売の仕事だけでお金はまだ入らない。
ハウスメーカーの仕事はまだ1件だけ。
貯金がどんどん無くなり。。。「やばくね?」と
保険屋さんに助けられる。
なぜ保険屋さんなのか。
私の担当の保険屋さんがいるのですが、この人がなかなかやり手の保険屋さんです。
工務店の社長や不動産屋さん、外壁塗装の職人さんなど建築業界のお客さんも多い方でした。
私が藁をもすがる思いでこの保険屋さんに今の状況について相談したところ、
工務店の社長さんや不動産屋さんを紹介して頂き建売の設計依頼を頂きました。
そうこうしているうちにハウスメーカーからの仕事も増えてきて、開業から3か月後に初収入、さらに2か月後には290万円程の収入もあり、まともな生活が出来るようになりました。
「人脈」が大事
よく意識高い系の学生が「人脈。人脈。」と言っていますが、
そういう意味での「人脈」ではありません。(笑
ただ会って名刺交換をするという事ではなく、
「将来の自分の助けになってくれそうな人、数人ととにかく深い付き合いをする。
そして、こちらが貰うばかりではなく、時には相手に与えられる関係を作る。」
これは私が新卒の時の上司から教わったことです。
これのおかげで元同僚や保険屋さん、さらにはその紹介の方からお仕事を貰うことが出来ていると思います。
まとめ

長々と書きましたが、将来独立したいと考えている方に伝えたいことは
・1つの会社に拘らず、色んな会社で仕事を学ぶ
・それぞれの会社での人間関係を可能な限り継続する
・やり手の保険屋さんと仲良くなる
・どんな仕事も手を抜かない
・誰からも頼られる膨大な知識を身に着ける(←一番大事)
・チャンスを逃さないように準備を怠らない
この6項目をしっかりやっていれば独立して食べていくことは出来ます。
あとは下請け仕事から脱するための手段を考えるだけです。
それと何かしたいことがあればやはりお金が必要です。
お金を貯めてから独立でもいいですが、独立してからお金を貯められるなら、
早く独立したほうがチャンスを逃さずに済みます。
独立は可能な限りお早めに!

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